磨き抜かれたギフト 引越祝い
カルテル料率は独占禁止法の適用除外を受け、価格競争を排除しており、価格水準は安全性を織り込み、全社が利益を確保できるものとなっており、また行政による認可料率も基本的には横並びの同一料率で価格競争を避けている。
その結果、保険会社の安定は保証され、一方保険契約者は価格に競争原理の働かないため、割高な保険料負担を強いられている。
カルテル料率保険種目は全保険種目保険料の約八○パーセントを占めており、また、わが国の損害保険の収益構造の中核を担ってきた。
損害保険ビッグバンは算定会料率というカルテル料率の廃止、算定会機構の改革を指向している。
保険業法は生命保険と損害保険の兼営を禁止している。
生命保険は貯蓄的性格をともなう長期的な保険であり、リスクは数理的に正確に把握され安定的である。
一方、損害保険は短期的な通常は一年契約を主体にしており、リスクの変動幅は大きく不安定である。
そのため事業の規制の方法も異なっており、諸外国でも多くは生損保兼営禁止の原則をとっている。
また保険会社は他の事業の損失発生による負担を契約者に転嫁させないために他業を禁止している。
しかし、保険業法の改正によって弊害を防ぎながら自由化・規制緩和は行われることになり、第三分野については子会社方式による生損保の相互参入が認められることになった。
しかし、損害保険業界は戦後一貫して保険料率自由化の弊害のみを説き、日米保険協議の決着直前まで自由化すると無保険車は増加し、市場は混乱すると主張してきた。
現保険審議会のM会長は「保険経済の特殊性を根拠にカルテルを正当化するには、多大なエネルギーと努力をするようになるであろう」(保険学雑誌第五四○号、平成五年)と九三年に指摘していた。
利用者の立場、競争政策による企業活性化、それに国際的整合性の視点から、価格の自由化・保険料率の自由化はグローバル・スタンダードへの移行である。
日米保険協議という外圧、金融ビッグバンという内圧によって、保険料率の自由化は決定し、カルテル料率制度は撤廃され、料率はグローバル・スタンダードに基づく自由料率となる。
これについては日米保険協議によって、米国側は既得権益の擁護を強く主張し、第三分野については自由化・規制緩和を遅らせ、相互参入の時期を大幅に遅らせることに成功した。
日本版ビッグバン(金融大改革)は一九九六年一○月一七日の経済審議会の行動計画委員会のもとに設置された金融ワーキンググループの規制緩和を求めた報告書「わが国金融システムの活性化のために」の公表に端を発し、二月二日の橋本総理の経済構造改革の一つ、金融システム改革をニ○○一年までに実施するよう大蔵省と法務省に指示したことから始まった。
内容は、日本の金融市場を、市場原理の働くフリーな、透明で信頼できるフェアな、そして国際的で時代を先取りするグローバルな市場に改革する。
具体的には、一つは銀行・証券・保険分野への相互参入促進、また保険業の規制緩和である。
戦後の金融システムを支えてきた規制の枠組みである護送船団方式の撤廃を求める抜本的な構造改革である。
保険業法の改正による制度改革は、保険業のなかに限定され、保険会社と銀行・証券との子会社による相互参入は見送られている。
業法の改正によって生損保の相互参入は可能となり、九六年生命保険は六社の損害保険子会社を設立し、損害保険ではニ社の生命保険子会社を設立し、同年一○月一日から生損保それぞれが相手の分野の保険を販売する子会社による相互参入はスタートした。
これから数年は各社は持てる経営資源、販売力を活用して織烈な競争を展開することになろう。
新設された子会社の社名と資本金を示している。
改正業法により、生保の子会社の社名は従来の損保の社名とは異なり、海上保険、火災保険等々の保険種目を示さず、損害保険会社となっており、損保の子会社は従来の生保の社名と同じである。
なお、損害保険会社大手のY火災海上保険(株)は生命保険への参入は、子会社新設ではなく長年提携関係にあったA生命保険(株)の買収によって実現し、九七年自由化・規制緩和は損害保険市場への新規参入を加速する。
保険業法の改正によって、保険という同じ業態のなかでは生・損保の相互参入、また特定法人Rの参入も始まった。
相互参入は損害保険業および消費者にどのような影響を与えるであろうか。
プラス面は第一は相互参入による市場の活性化である。
消費者にとっては保険会社の増加によって、また競争によって保険商品購入の選択肢は多様化し、保険料率は引き下げられ、利便性は増大するであろう。
第二は保険会社の経営資源の有効活用である。
損害保険業にとっては経営資源の総合的な活用によって事業領域を拡大し、範囲の経済性が発揮されることになろう。
相互参入の損保にとっての課題は、第一は損害保険の収益市場の開放であり、収益市場の喪失である。
特に、火災保険・傷害保険のカルテル保険料率種目の収益性は極めて高い・第二は企業保険分野において、大手生保会社は豊富な資金をバックに、多くの業種において企業の大株主であり、また融資を通じて財務的な関係も強く、これを背景に無言の圧力となり、生保の損保子会社は大企業に食い込むのではないか。
一方、生命保険分野には構成員契約規制があり、法人代理店は従業員等の構成員に生命保険商品(ガン・医療保険を除く)を販売できないことになっている。
損保の子会社は構成員契約規制によって生命保険商品の販売活動を制約され、損害保険分野にはこのような規制はないため生保子会社は損害保険商品を企業において販売できる。
競争条件の整合性の確保が必要である。
第三は金融リスクの増大である。
損保の生保への参入の目的の一つは資金マーケットとしての生命保険にあった。
しかし、損害保険の金融商品としての積立保険は運営において運用難と低金利のため、生命保険同様予定利率と運用利回りの関係は利差益の追求より利差損の発生、逆ザヤの状態にある。
第四は短期的には経営資源の分散である。
保険年鑑によれば事業費率は、九一年度、生命保険の一五・三パーセントに対し、損保は四一・六パーセントであり、損保は高事業費率体質である。
生命保険の外務員制度、損害保険の代理店制度の相違もあり、単純には比較できない。
世界最大の保険組織といわれているRは伝統・革新性・柔軟性・専門性・信頼性で世界の保険市場で三○○年以上にわたって保険業界をリードしてきた。
Rは顧客のニーズに応え保険商品を創造し、保険料率を独自に算出している。
Rは改正保険業法の特定法人の規定に基づいて特定事業免許を取得し、九七年から日本の保険市場に参入することになった。
参入にあたってRのR会長は「日本市場は極めて重要である」と述べ、さらにR・Jは将来的には一つの保険市場として扱われ、ブローカーがアンダーライターと保険料を検討し、見積りを取り、契約を結べるようになることを望んでいる」(『インシュアランス』九七年四月三日、第二一七四五号)と日本市場への期待を表明している。
ロイズは従来から日本市場の再保険を引受、実質的には引受に間接的には参入しており、市場をサポートしてきた。
今後は元受契約の引受によって、直接に、また、積極的に日本市場に参入することになろう。
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